「朝ごはん、食べてますか?」
外来でこう聞くと、「食べてないです〜」という答えがけっこう多い。
「食欲ないんですよね」「時間がなくて」「どうせ昼に食べるし」・・
そう、わかります。でもちょっと待って。 朝食を抜き続けることが、血糖値や体重管理に思いのほか影響しているんです。
今日は「朝食抜き」が体に何をしているかをお話しした上で、「じゃあまず何をどれだけ食べればいい?」という実践編をお伝えしますね。
朝食を抜くと、昼食後の血糖値が大きく上がる
これ、研究でしっかり確認されています。
ある研究では、朝食を抜いた日の昼食後の血糖値のピークは 268mg/dL。 対して、朝食をちゃんと食べた日の昼食後は 192mg/dL。
76mg/dLもの差 があったんです。
夕食後はさらに差が広がって、朝食なし:298mg/dL、朝食あり:215mg/dL。
・・これ、かなりの違いですよね??
なぜこうなるかというと、長時間の空腹で膵臓がインスリンの分泌感覚を一時的に「忘れる」からなんです。 朝食を飛ばすと、次の食事(昼食)に対して体が急にインスリンを出さないといけなくなって、それが間に合わずに血糖値が急上昇する、という仕組みです。
糖尿病や糖尿病予備軍と言われている方は特に注意が必要です。 (糖尿病予備軍と言われたら変えるべき習慣の記事も参考にしてみてください)
「朝ごはん抜きの方が痩せる」は本当?
よく聞かれる質問です。
「カロリーが減るんだから、朝食を抜いた方が痩せるんじゃないの?」
・・実は、そう単純じゃないんです。
朝食を抜くと肝臓でのコレステロールや中性脂肪の合成が促進されることがわかっています。 昼や夜に食べすぎてしまう「反動」も起きやすい。
定期的に朝食を食べない方は、食べる方に比べて肥満のリスクが高くなるという報告もあります。
もちろん個人差はありますし、意図的なファスティングとして朝食を抜く方法もあります。 でも「なんとなく食欲がないから抜いてる」という朝食スキップは、あまりおすすめできないかな、と感じています。
「カロリーを減らせば痩せる」という考え方自体が、実は単純ではないというのはこの記事でもお話ししましたね。
じゃあ、何から始めればいい?
「わかった、でも朝から食欲ないんだよな・・」
そんな方への提案。
いきなり「朝食を食べる」を目指さなくていいです。
まず、一口だけ口に入れることから始めましょう。
バナナ1本
包丁いらず、洗いものなし。 糖質でエネルギーを補いつつ、カリウムも摂れる優等生です。 冷蔵庫に入れなくていいので、置いておくだけで食べられます。
ヨーグルト(100g)
スプーン数口でもOK。 たんぱく質と乳酸菌が同時に摂れます。 甘くないプレーンタイプが理想ですが、加糖でも全然OKです。
ゆで卵1個
夜のうちに準備しておけば朝は食べるだけ。 たんぱく質の優秀な供給源で、腹持ちもいい。
コンビニのおにぎり
気軽に買えて、温めなくても食べられる。 おかかや梅などシンプルなものから始めるのがおすすめです。
朝食を「習慣」にするコツ
最初から「栄養バランスの整った朝食」はハードルが高すぎます。
まず口に入れるという行動を習慣化すること。これだけでいい。
人間の消化器は、規則的な刺激を繰り返すことで「朝の食欲」が徐々に整ってきます。 最初はバナナ1本でも、続けているうちに「もう少し食べたい」という感覚が戻ってくることが多いですよ。
当院の管理栄養士も、栄養指導の中で同じことをよく言っています。 「まず1口から。完璧にやろうとしないこと。」
食習慣の改善は、焦らずコツコツが大切です。 (食事改善が続く人の習慣の記事もあわせてどうぞ)
まとめ
- 朝食を抜くと昼・夕食後の血糖値が大きく上がりやすくなる
- 「朝食を抜けば痩せる」は単純ではない
- いきなり「しっかり朝食」を目指さなくていい
- バナナ・ヨーグルト・ゆで卵など「一口」から始めるのが続けるコツ
食習慣は、急に変えようとすると続きません。
「今日からバナナ1本だけ」・・そのくらいの気持ちで、ぜひ試してみてください。
それでは、また!
監修:宮脇 大(医師)
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