「油は太るから減らす」——よく聞きますよね??

でも結論から言うと、油は減らすより「選ぶ」ことのほうがずっと大事なんです。

先日も患者さんからこんな質問をいただきました。「サラダ油とオリーブオイル、どっちがいいんですか?」

これ、とても本質的な質問で・・ちゃんと説明すると「なるほど!」となる方がすごく多いんですよ。

今日は、「健康にいい油」と「よくない油」の見分け方を、できるだけわかりやすくお伝えしますね。


油の「善悪」は脂肪酸の種類で決まる

まず大前提として・・油の「体への影響」は、脂肪酸の種類によって決まります。

脂肪酸には大きく3つのグループがあります。

  • 飽和脂肪酸(とりすぎ注意)
  • 不飽和脂肪酸(積極的に摂りたい)
  • トランス脂肪酸(できるだけ避けたい)

それぞれ順番に解説していきますね。


飽和脂肪酸——常温で固まる油、とりすぎ注意

飽和脂肪酸は、常温で「固体」になる脂のことです。

バター、ラード、牛脂・・あとは意外かもしれませんがヤシ油(コプラ油)やパーム油も飽和脂肪酸が多め。

これらはエネルギー源として体に必要なのですが、とりすぎると LDL(いわゆる「悪玉」コレステロール) が上がって、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まることが知られています。

日本人の食事摂取基準(2020年版)では、飽和脂肪酸の摂取量は総エネルギーの7%以内 が目標量とされています。

ラーメンのスープの表面に浮いている白い脂・・あれが飽和脂肪酸の塊です。

毎日のように食べているとちょっと多すぎかも、と思いながら患者さんと話しています(笑)


不飽和脂肪酸——体に嬉しい油たち

不飽和脂肪酸は常温で「液体」の油。こちらは積極的に活用したい仲間です。

大きく3種類に分けて覚えておくと便利ですよ。

オメガ9(オレイン酸):加熱調理に使いやすい優等生

オリーブオイルやなたね油に多く含まれます。

体内でも少量作れるので「必須脂肪酸」ではないのですが、LDLを下げる効果が期待でき、しかも熱に比較的強い。炒め物にオリーブオイルを使うのは理にかなっています。

地中海沿岸の国々で心臓病が少ない理由のひとつとして、オリーブオイルの多用が挙げられていますよね。

オメガ6(リノール酸):現代人はとりすぎ傾向

サラダ油、大豆油、コーン油に多く含まれます。

体内では作れない「必須脂肪酸」で、細胞膜の材料として欠かせない存在です。

ただ・・現代の食事ではすでに十分すぎるほど摂れています。加工食品やファストフードにはオメガ6系の油がたっぷり使われているから。

とりすぎると炎症を促進する可能性が指摘されているため、「積極的に増やす」必要はありません。むしろ現代人に必要なのは「減らす意識」かもしれないです。

オメガ3(EPA・DHA・α-リノレン酸):これが一番大事!

ここが今日のポイントです!!

EPA・DHA は青魚(サバ、イワシ、サンマ、アジなど)に豊富に含まれています。

体内では作れない必須脂肪酸で、以下のような働きが多くの研究で示されています:

  • 中性脂肪を下げる
  • 血管の炎症を抑える
  • 不整脈を予防する
  • 血圧を下げる

厚生労働省は、EPA+DHAの摂取目標を1日あたり1g以上 と設定しています(日本人の食事摂取基準)。

サバの缶詰(水煮)100gあたり、EPAが約690mg、DHAが約970mgほど含まれているので、毎日でなくていいので週に2〜3回は青魚を食べるようにすると、目標に近づきやすいです。

α-リノレン酸は えごま油や亜麻仁油に豊富。体内でEPAやDHAに変換されますが、変換効率はあまり高くないので、やはり青魚も大事ですよ。


トランス脂肪酸——これが一番「避けたい油」

脂肪酸の中で特に注意が必要なのが、トランス脂肪酸です。

マーガリン、ショートニング、そして市販のパンやお菓子・ポテトチップスなどに含まれていることが多い。

なぜ問題かというと・・ LDLを上げ、同時にHDL(「善玉」コレステロール)を下げる ダブルパンチだから。

つまり、動脈硬化リスクを両面から高めてしまうんですね。

近年は多くのメーカーがトランス脂肪酸の低減に取り組んでいます。でも成分表示に「ファットスプレッド」「部分水素添加油脂」「ショートニング」と書いてあるものは注意してください。


毎日の食卓での使い分け方

ここで一度整理しましょうね。

調理に使う油

  • 加熱調理 → オリーブオイル・なたね油(オメガ9)
  • 生食・仕上げ → えごま油・亜麻仁油(オメガ3)
  • できれば控えめに → マーガリン・ショートニング(トランス脂肪酸)

食材から摂る油

  • 週2〜3回の 青魚(サバ・イワシ・サンマ) でオメガ3を補充
  • 肉料理は赤身を選ぶと飽和脂肪酸を抑えやすい

「油を減らす」より「油を選ぶ」——この発想の転換が、食事改善の大きなヒントになることが多いんです。


脂質異常症・高血圧の方へ

脂質異常症や高血圧が気になる方は、まず「何の油を使っているか」を意識するだけで食習慣がかなり変わります。

よく「揚げ物はダメですよね?」と聞かれるのですが、揚げ物そのものより「どんな油で揚げているか」「どれくらい食べているか」の方が大事です。

コレステロールを下げる食材については、以前書いた「脂質異常症の方が選ぶべき食材」の記事もあわせて読んでもらえると参考になりますよ。

気になる方は、ぜひ当クリニックの「食事でYOBO相談」でご相談ください。管理栄養士と一緒に、あなたの食生活に合った具体的な改善プランを考えていきます。


まとめ

今日のポイントをざっくりまとめると・・

  1. 飽和脂肪酸(バター・ラード):とりすぎ注意
  2. オメガ9(オリーブオイル・なたね油):加熱調理に◎
  3. オメガ3(青魚・えごま油):積極的に増やしたい
  4. トランス脂肪酸(マーガリン・ショートニング):できるだけ避ける

油は「全部NG」でも「全部OK」でもなく、種類によって体への影響がまったく違うんですよ。

ぜひ今日のスーパーでの買い物から、少し意識してみてくださいね。

それでは、また!

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