先日、こんな患者さんが来院されました。

「先生、健診で尿酸値が高いって言われたんですけど、ビールをやめれば大丈夫ですよね?」

気持ちはよくわかります。でも、ビールだけで話が済まないのが、尿酸と食事の関係なんですよね。

今日は、痛風・高尿酸血症と食事の関係を、実践的にお伝えします。


結論から言うと、食事の見直しで尿酸値は下がります。ただし、プリン体だけを気にすれば解決、というわけでもないんです。

少し整理してみましょう。


痛風・高尿酸血症とは?

尿酸は、食べ物や体の細胞に含まれる「プリン体」が分解されてできる物質です。

通常は尿と一緒に排泄されるのですが、これが血液中に増えすぎると高尿酸血症になります。基準値は男女ともに7.0mg/dL。これを超えた状態が続くと、関節や腎臓に尿酸の結晶が溜まっていきます。

その結晶が関節で炎症を起こすのが、いわゆる痛風発作です。「風が吹いても痛い」という名前の通り、親指の付け根などが突然激痛になります。

発作は怖いですが、それ以上に長期的に心配なのが腎臓への影響です。尿酸が高い状態が何年も続くと、腎機能が少しずつ低下していくことがわかっています。

痛みがないうちから、ぜひ食習慣を見直してほしいのはそのためです。


食事で意識してほしい5つのポイント

① プリン体が特に多い食品を知る

プリン体が非常に多い食品はこのあたりです:

  • レバー(鶏・豚・牛)
  • いわし・あじの干物
  • 煮干し・かつおぶし(だし食品)
  • あんこうのきも
  • 魚卵(たらこ・いくら等)

「毎日大量に食べていない」なら、これらをすべて完全禁止にする必要はありません。習慣的に干物を毎朝食べている・・という方は、頻度を少し落とすことを意識してみてください。

一方で、よく誤解されているのが野菜のプリン体。ほうれん草や豆類もプリン体を含みますが、野菜のプリン体は尿酸値にほとんど影響しないとされています。野菜はむしろ積極的に食べてほしいです。

② お酒との付き合い方

これは外せません。

ビールは特に注意が必要です。プリン体を含む+アルコール自体が尿酸の排泄を妨げるという、二重の影響があります。

「じゃあ焼酎やウイスキーはプリン体ゼロだからOK?」という質問もよく受けますが、アルコール自体の影響は変わりません。どのお酒も、飲みすぎは尿酸値を上げます。

目安として、週2日以上の休肝日を設けること、飲む量を抑えることを意識してみてください。

③ 甘いジュースにも要注意

これ、意外と見落とされがちなポイントです。

果糖(フルクトース)を大量に摂ると、プリン体とは別の経路で体内の尿酸産生が増えることがわかっています。果糖が多いのは、清涼飲料水や市販の甘いジュース・スポーツドリンクです。

「お酒はほとんど飲まないのに尿酸値が高い」という方は、ジュースや甘い飲み物の量を振り返ってみてください。当てはまるケースが少なくないんです。

④ 水をしっかり飲む

地味ですが、これが非常に重要です。

尿酸は尿と一緒に排泄されるため、水分をたっぷり摂って尿量を増やすことが基本中の基本。目安は1日2リットル前後。水やお茶を中心に飲んでください。

夏場や運動後は脱水になりやすいので、特に意識して。清涼飲料水は③の問題があるので、水・お茶がベストです。

⑤ 乳製品と野菜を積極的に

低脂肪の乳製品(牛乳・ヨーグルト)は、尿酸の排泄を助ける働きがあるとされています。毎日の朝食にヨーグルト一杯を加えるだけでも、継続すると差が出てきます。

野菜は食事全体のバランスを整えるだけでなく、尿をアルカリ性に傾けて尿酸を排泄しやすくする効果も期待できます。食事の中で野菜の割合を増やす意識を持ってほしいですね。


まとめると

控えめに積極的に
レバー・干物・魚卵水・お茶(1日2L)
ビールをはじめとするアルコール低脂肪乳製品・野菜
甘い清涼飲料水・ジュース(野菜のプリン体は気にしすぎなくてOK)

痛風・高尿酸血症は、脂質異常症糖尿病予備軍と同様、生活習慣全体と深く関わっています。食事の改善が複数の病態にまとめてプラスに働くことも多いので、「全部一気に完璧にしよう」とは考えずに、まずできることから一つずつ。

「尿酸値が高いと言われたけど、具体的に何から変えればいいかわからない」という方は、当院の管理栄養士と一緒に、あなたの食生活に合わせた改善プランを考えることができます。ぜひ一度ご相談ください。

それでは、また!

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